親の介護で疲れていた頃、私が頼っていた3つのことを振り返ってみました。
数年前に、80代の母と90代の父の介護のために実家へ通っていた時期がありました。
最初は月に一度、病院の付き添いや買い物の手伝い程度だったのですが、そのうち毎週となり、あっという間に通う頻度が増え、父の見守りのため実家に一か月泊まり込むこともありました。
実家にいた頃の両親は、デイサービスやヘルパーさんの利用をすべて拒否していました。
そんな中、ふたりは短期の入退院を繰り返すようになり、当時お世話をしていた私は随分と疲れていました。
自宅での介護に限界を感じ、両親にはサ高住に入ってもらいました。
私はふたりがサ高住に入った後もしばらくお世話を続けていたのですが、途中でどうしても続けることができなくなり、遠方で暮らす兄弟に介護を代わってもらうことになりました。
本記事は、私が実家へ通い介護をしていたころの体験になります。
冷凍弁当

介護は予定通りにいかない事の連続です。
あの頃は、夕方までには帰るつもりが夜遅くになる事もしょっちゅうでした。
外が薄暗くなる頃に気になるのは自宅の晩御飯。
私が帰るころには、近所のスーパーが閉店の時間を迎えていたり、開いていてもお惣菜売り場は空になっていることも多かったです。
そもそも、疲れ切っている時は、帰り道にスーパーへ寄り道する気力も体力も残っていません。
午前中に晩御飯の下ごしらえをして出かける日もありましたが、体力が続かないので途中でやめました。
そんなときに助けられたのが冷凍弁当でした。
以前の私は、冷凍食品は味が濃く、油や塩分が多いという印象を持っていました。
けれど、今は冷凍技術も進み、探せば野菜が多く、薄味で塩分控えめのものもあります。
そういうのをいくつか試しに買うようになり、冷凍庫にストックがあるのが当たり前の生活になりました。
もちろん、美味しい弁当も続けば家族が味に飽きます。
それでも、冷凍庫に用意があるだけで、
- どんなに帰宅が遅くなっても
- スーパーが閉店していても
- 雨の日に寄り道する気力がなくても
何も考えずに、真っすぐ家に帰ることができました。
当時の私にとっては「晩御飯どうしようか」という考えをひとつ減らせることは、想像以上に大きな安心になっていたのだと思います。
当時は、事情が重なり、実家で両親の食事の準備をすることはあっても、我が家の食事の準備を実家のキッチンで作ることはできませんでした。
両親のために料理を作りながら、我が家の晩御飯は冷凍弁当だと考えると複雑な気持ちになることもありました。
そこを深く考えはじめると、動けなくなってしまう気がして、あまり考えないようにしていました。
とにかく一生懸命に自転車を漕いで真っすぐ自宅に帰り、お風呂に入ってから温めた弁当を食べる。
それができたら、もう上出来の一日じゃないかと自分に言い聞かせながら布団に入っていました。
冷凍弁当は、頭の中に小さな空きを作るために頼っていました。
ペットボトルの麦茶

当時、夫と子供がペットボトルにお茶を入れて仕事へ出掛けていました。
なので、毎晩、麦茶をつくるのが日課になっていました。
しかし、介護をするようになってから、この麦茶をつくるという日課がつらく感じるようになりました。
遅く帰宅した後に、ソファに座るともう動けなくなります。
本当は、早く寝たいけど麦茶を作らなくちゃ。
でも、どうしてもキッチンに立つことができません。
でも、麦茶が気になり布団に入れない。
でも、ソファから立つ気力はない。
でも、麦茶が・・・
「でも」の繰り返しで軽く20分は過ぎてしまいます。
夫や子供も、それぞれ体調に不調を抱えていたため、疲れているふたりに「麦茶を作って」と頼むことはできませんでした。
疲れているときは、麦茶を作る動作すべてがつらく感じてしまい泣きそうになります。
- ポットを洗うのがつらい(早く寝たい)
- 麦茶のパックを切り離すのがつらい(早く寝たい)
- ポットの茶渋に気づくのがつらい(早く寝たい)
- 茶渋をつまようじで取るのがつらい(もう何もしたくない)
作った麦茶を冷蔵庫に入れると、夜中になっていることも度々でした。
ある日、つらいときの非常用にと、ペットボトルの2リットルの麦茶を数本買ったところ、あまりの楽さに感動しました。
非常用の数本はあっという間に無くなってしまいました。
すぐにケースで麦茶を買いたくなりましたが、私は躊躇してしまいます。
安い麦茶とはいえ、会社へ持っていっていくだけでなく晩御飯のときも飲んでいる。
2日で最低でも3本は消費しているはず。
「あれ?これを一か月続けたらいくらになるの?」
「私が麦茶を作りさえすれば、数百円ですむ話じゃない。」
「私、無駄遣いをしてしている?」
自問自答しながら遠慮がちに、6本入りの麦茶を1ケースだけ購入します。
ソファで寝落ちしてしまっても、ペットボトルの麦茶があればつらくありません。
ダンボールから1本取り出し、冷蔵庫に入れるだけ。
こういうことを繰り返して、私は、ペットボトルの麦茶を堂々と買うことに決めました。
あの頃は私だけでなく、家族全員が疲れていて余裕がありませんでした。
あのまま、毎晩泣きそうになりながらポットを洗い続けていたら、私はもっと早く心が折れていたかもしれません。
ペットボトルの麦茶は、私が深刻にならないために頼っていました。
レンタルのポケットWiFi
介護をしていると、意外と調べものが必要なことが多かったです。
病院のこと、介護保険のこと、役所での手続きのこと、塩分制限の食事のこと、ネットで下調べをすませておくことでとても助かりました。
ただ、すぐにギガ(データ容量)不足になるので、介護に必要なものを調べてネット注文するときは自宅に帰ってからするようにしていました。
しかし、実家で過ごす時間が長くなるにつれ、自宅で調べものの続きをしたり、ネット注文することが負担に感じるようになりました。
実家にある父のパソコンは有線でネットにつながっていました。
ただ、父はパソコン操作がおぼつかなくなり、上手くいかないことがあると私が勝手に操作したからだと小言を言ってくるようになっていたので、父のパソコンは使えません。
そこで、レンタルのポケットWiFiを借りてみることにしました。
ギガを気にせずネットが使えるようになったら、調べものはもちろん、帰宅してから頼んでいたネット注文も実家で済ませるようになりました。
役所での手続きの申請時期や手続きに必要なものの確認など、ネットがあるとスムーズに対応できます。
親が体調の変化を訴えてきたときの対処法を調べたり、医療機関の連絡先や対応時間の確認、病院の場所を地図アプリで確認することもできます。
とくに病院の休診日の前日など、今日、病院につれていった方がいいのか、週明けでもいいのか迷うときは、すぐにネットで調べることができるのが大きな安心感につながりました。
その後、私は実家に自分のパソコンを持ち込み、親の介護をしている人の体験談を読んで孤独感を解消したり、好きな動画を見て息抜きもできるようになりました。
ポケットWiFiは、私と社会がつながるために頼っていました。
最後に
今、介護をしていない私がこの記事を読み直すと、なぜ、こんなに麦茶作りに悩んでいたのだろうと少し滑稽に思える部分もあります。
しかし、あの頃の私は本当に余裕がありませんでした。
- 晩御飯の心配をしなくていい
- 麦茶を作らずに寝てもいい
- ギガを気にせずネットを見てもいい
全てが、介護をする上で頼りになりました。
それでも私は途中で限界を迎えましたが、これらを頼ることで、どうにか実家へ通うことができたのだと思います。
実家のゆるい庭じまいをしたときの記録を、こちらの記事に残しています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

